スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと(番外編2)
このシリーズも番外編2まで引っ張ってしまいました。
それほど気づきがたくさんある本です。
今回で最終回です。
- 神経系の発達
- シーソーのバランス
- 二軸で走る
1. 神経系の発達
運動において、筋肉を鍛えたり、スタミナを強化することは大事ですが、本書では神経系を育てることが最も重要と言います。
生まれてから12歳くらいまでは、神経型の発達がもっとも著しく、6歳時にすでに90%の発達をとげ、12歳でほぼ100%近くになっています。したがって、神経型の発達の著しい小学校段階では、種々の動きを身につけることが、筋力やスタミナなどの体力を身につけることよりも重要となります。そして、中学・高校段階に入って、一般型のからだができる時期にさしかかる頃に、筋力やスタミナを身につけるトレーニングを加えていくのが、発育発達段階を考慮したトレーニングの優先順位といえます。
スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと、より
身体をスムーズに動かすための神経系は12歳まで発達するようです。
小学校卒業までにその人の運動センスがほぼ決まるということでしょうか。
僕は走ったり、ボールを蹴ったりするのは得意ですが、
泳いだり、ボールを投げたりするのがあまり得意でないのは、
そういうことなのかもしれません。
小さな頃に色んなスポーツをして、色んな動きを経験しておくのが良さそうです。
スポーツに限らず、楽器や芸術でもなんでも、早いうちから動作を覚えることが神経系を鍛えることになります。
そんな理由で、幼少期に好きだったり得意だったことは、大人になっても好きで得意なことになりやすいのかと思います。
三つ子の魂百までとはよく言ったものです。
将来子供ができたら、ぜひ水泳得意になってもらいたいです。
2. シーソーのバランス
客観的な動きと、主観的な動きは異なっているという話です。
欠点を直す場合に、その部分を直接意識してしまうことはよくありません。最終的には、その部分を意識しないでうまくいくようにするにはどうしたらいいのかを考えることです。
そのためには、いま問題となっている動きの欠点に関係している別な欠点を見つけるのです。
スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと、より
欠点を直すときには、欠点を意識しないように、連動している別の欠点を直す。
禅問答のような文ですね。
僕の苦手な例でいくと、
泳いでいるときに脚が沈んでいるとします。
脚を上げたいと思って、腰を反って脚を引き上げようとすると、ますます沈みます。
脚が沈んでいるので、脚を上げようと思ったら、脚は上がっていなかった。
ということが起こります。
これが起こるのは、脚が沈んでいるという客観的な状態と、脚を浮かせようとする主観的な動作が実はかみ合っていないからです。
ここでは、関係している別の欠点は「上半身が浮いていること」です。
前のめりになり、胸を水中に沈める意識により脚は自然に浮いてくるはずです。
これが客観と主観のシーソーのバランスを考えるということです。
浮いてくるはず、と書いているのは僕はいまだに脚が沈むからです。
悔しいです。
3. 二軸で走る
以前どこかの動画で「1直線上を走るように意識すると良い」と聞いて、意識していた頃がありましたが、これを読んでそれは間違いであると確信しました。
ウマの歩きを見ていると、左の前後肢の2本で体重をささえ、右の2本の脚が一瞬宙に浮く局面があります。逆に、右の前後肢の2本で体重をささえ、左の2本の脚が一瞬宙に浮く局面があります。このように、ウマは、左右の軸を交互に切り替えながら、歩いています。だから、「軸は左右に二つ」と思ったのです。
スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと、より
馬の歩き方が例として挙げられていましたが、ポイントは「2軸で歩いている」ということです。
重心は左に右に移動しながら進むのです。
1本の線の上を進むのではなく、2本の線を交互に渡りながら進みます。
二人三脚のように、右、左、右、左、と体重をしっかり乗せて走ります。
すると明らかに一歩が大きく力強く進めるのが分かります。
以前紹介した常歩(なみあし)の状態です。
脚で骨盤を押してます。
左右に体重移動するからといって、上体を左右に揺らすということではありません。
それではカロリーが無駄になってしまいます。
あくまで上体はまっすぐです。
腕を振るとうまくバランスが取れます。
腕を後ろで組んで、左右交互に体重をかけて走ると、上半身がくねくねとかわいい走り方になってしまいます。
そこで腕を振ると、重さのバランスが取れて上体がブレません。
いち、に、いち、に、と二人三脚のように左右に体重をかけながら走ってみてください。
きっと力強さが変わりますよ。
まとめ
身体の動かし方を学ぶと、どんな競技でも力を発揮できるようになります。
いわゆる運動センスというやつかと思います。
幼少期に運動神経系を鍛えて、感覚的に動きを知っているのも運動センス、
小学校卒業後でも運動理論を学んで、動きの構造を知っているのも運動センスです。
スポーツをするあらゆる人のヒントになる本です。
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