スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと(バイク編)
しばらく今シーズン終了の余韻に浸ったところで再開です。
前回のスイム編に続き、今回はバイク編です。
速くなる秘訣だらけの良書です。
- バイクにおける押すと引く
- 体重を乗せるペダリング
- 踏む vs. 回す
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1. バイクにおける押すと引く
本書ではスイムでもバイクでも ”押す” ことが大切と説いています。
バイクで ”押す” 乗り方と ”引く” 乗り方はどのようなものなのでしょうか。
自転車のペダリングで、片足を踏んで反対足があがったときに、あがった側の骨盤が高くなっていると考える人が多いと思います。つまり、踏み込んで下にいった足側の骨盤が下がって、あがってきた足側の骨盤が高くなっているだろうということです。
スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと、より
踏み込むときに ”腕で引きつける” 力の入れ方をする漕ぎ方を、引くペダリングと言っています。
例えば右足が上にあるときに、一番力が入るのはどのような体勢のときでしょうか。
まず骨盤が右上がりになっているとき、右側に体重をかけることができません。
ハンドルを腕で引っ張って、その反作用で踏むことになります。
引きつける乗り方です。
次に骨盤がフラットになり、右下がりに動かす場合、右側に体重をかけることができます。
腕で引っ張るのではなく、身体の重みをペダルに落下させるイメージです。
押す乗り方です。
高さ50cmくらいのイスに片足を乗せて、イスを下に押す力。
高さ10cmくらいの空き缶に片足を乗せて、缶を押し潰す力。
どちらが力が入るかは明らかですね。
骨盤が上がらず、体重をかけやすい空き缶の方です。
2. 体重を乗せるペダリング
自転車選手の体重のかけ方について以下のように説明しています。
優秀な自転車選手は、サドルの上にどっかりとはすわりません。お尻がサドルの上で小さく左右に揺らぎます。体重を落とすようにして、体まるごとの重みが落下する力をペダルに集めるようにします。
スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと、より
体重をペダルに集めるにはどのようにしたらよいのでしょうか。
- 骨盤を起こす
背筋を伸ばして姿勢良く椅子に座ったときの骨盤をイメージしてください。
そのまま少し前傾して、腹筋に力を入れながら脚を真下に踏み込みます。
これが最も力の入る、脚で押す動作です。
スクワットをするときを考えると分かりやすいです。
重りを担いでスクワットをするとき、骨盤を寝かして背中を丸めて行っても力が入らないですよね(というか腰や背中をすぐ怪我します)。
骨盤を起こして地面を真下に押す。
そうすることで、力をペダルに集中させることができます。
- ハンドルに体重を乗せる
一方で、手も上から下方向に押します。
本書で紹介されている競輪選手のペダリング動作では、ドロップハンドルの上側に手を乗せており、握ってはいません。
ドロップハンドルの下側を握ってしまうと引く動作になってしまいます。
体重を乗せるというよりも、引く力に反発して蹴る動作になってしまいます。
ちょうどズボンに脚を通すような動きですね。
ズボンに脚を通す蹴り方と、立ってテーブルに手をついた状態で踏み落とす方と、空き缶が潰れやすいのはどちらでしょうか。
そう考えると手の体重のかけ方も決まってくるかと思います。
ただしDHバーの場合には、バーを握った手は上向きに力を込めることになります。
その代わり、ひじに下向きの力をかけます。
3. 踏む vs. 回す
今回、体重をかけて ”押す” ”踏み込む” ことが大事という話でした。
しかし以前、
「踏むのではなく回す」
「ぐっと踏みこむのではなく、ハムストリングで後ろに蹴り、腹筋で脚の付け根から引き上げる」
とも書きました。
(参考:あなたは何%?初めてのペダル効率測定)
いったいどちらが正なのかは、これから時間をかけて確かめていきます。
踏めば力が入るが、ペダル効率は良くない。
回せばペダル効率は良いが、力は入らない。
一旦、本書の以下の言葉を信じて ”踏む” 派になってみようと思います。
自転車は脚で踏むのではなく、「腕で引きつけろ」とよくいわれます。
その動きは、引く動きの自転車こぎということになります。これでは、スムーズなペダリングにはなりません。力んでいるので、いかにも速く回しているように思えるかもしれませんが、それよりもっと速く回せる自転車のペダリングがあるのです。それが押す動作のペダリングです。
スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと、より
踏むか、回すか、
あるいはどちらが正しいとも言えず、骨盤の向きや腹圧の込め方、体重の乗せ方の問題なのかもしれません。
まだまだ速くなる余地がありそうです。
まとめ
身体が動く仕組みを理解すると、楽に大きな力を生み出せるようになります。
まだまだ効率的に身体を動かせていないと思い知らされる本です。
ラン編に続きます。
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