スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと(スイム編)

”スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと” は身体を動かす仕組みに関して書かれた本です。

種目問わずスポーツをする全ての人に役に立つ内容です。

「筋肉をつけることよりも、自分の身体を自分が思ったとおりに動かせるようになることが大事」

というようなことを言っていた武井壮の動画を思い出しました。

今回はスイム編です。

  1. 押す動作と引く動作
  2. 腕のつき方
  3. スイムのプルはプルではない?

 

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1. 押す動作と引く動作

一般的に押すのと引くのとではどちらが力が大きいでしょうか。

 

扉を押して開けるとき、引いて開けるとき。

フットサルでボールを足の裏で押して転がすとき、引いて転がすとき。

くぎを打つとき、抜くとき。

テニスでフォアハンドでドライブを打つとき、バックハンドでスライスを打つとき。

息を吐くとき、吸うとき。

 

状況にもよりけりですが、押す方が強いと感じる人が多いのではないでしょうか。

身体は押す方が力が入ります。

ですので押す側を意識して運動しましょう、という話です。

 

そのように考えると上記の例もあくまでイメージで、体幹や骨格の使い方によって、それぞれの引く動作を力の入る押す動作に変えられるという話でもあります(息以外)。

例えば扉を引いて開けるとき、腕にとっては引く動作ですが、足腰にとっては地面を押す動作です。

フットサルでボールを足の裏で引いて転がすとき、足先は引く動作ですが、軸足にとっては押す動作です。

 

押す意識が大事です。

 

2. 腕のつき方

人体を理解するために本書では腕について下記のように投げかけられています。

 

「あなたの腕はどこについていますか?」

このようにたずれねられたら、誰でも、「腕は肩についている」と答えるでしょう。

腕の関節は、からだの中心から末端に向かって、肩関節、肘関節、手関節(手首)の三つであるという人がほとんどだと思います。

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特に違和感ないですよね。

腕は肩についている。

間違いないと思います。

 

実は、解剖学的な構造としてはもう一つ、肩関節より中心部に、胸鎖関節という関節があります。胸鎖関節とは、胸骨と鎖骨の間にある関節です。

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骨と関節を考えると、腕は胸骨(のどの下にある骨)から始まります。

身体の中心からこのような順で並んでいます。

 

胸骨 → 鎖骨 → 肩 → 上腕骨 → ひじ → 前腕骨 → 手首 → 手

 

これを理解すると腕の動かし方が変えられます。

まず手をまっすぐ前に出します。前ならえのような体勢です。

そこからさらに腕を前に出します。

イメージは鎖骨を前に出す、です。

すると5cm程伸びたのではないでしょうか。

 

(左)前ならえ (右)鎖骨を前に出す

 

腕は胸骨からついているのですね。

 

3. スイムのプルはプルではない?

「腕をより伸ばせることが分かった。そしたらスイムのキャッチのときに腕をできるだけ前に伸ばせばいいんだ!」

と思うかもしれませんが、どうやらそれは必ずしも正しくないようです。

 

競泳のクロールで、キャッチとは、手を前方に入水して、遠くの水をつかむことです。しかし、それを「手を伸ばして入水し、そこから下へ水を押すこと」と錯覚している選手が多く見られます。このような動作では、手のひらや腕で水をかいている、あるいは水をとらえていると感じる力感は大きくても、そのわりには推進力に結びつきません。

腕を伸ばすというよりも、胸鎖関節を使って、肩を前に移動していくような動きが重要です。

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そ、そうなのか。。

まさに「腕を伸ばすほど良い」と考えていました。

腕をぴんと伸ばすと水の抵抗は少なくなると思いますが、確かに次の動作の力が入りにくいです。

手首の筋肉だけで水を下に押すことになります。

本書に書いてある ”錯覚している選手” そのものです。

 

ただ腕を前に伸ばせば良いというわけではないようです。

胸鎖関節を使って肩を前に移動していきます。

 

えっと、、

 

胸鎖関節を使って

 

肩を前に

 

さっぱり分からん。。

 

 

そのヒントは ”押す動作” にありました。

 

プル(引く)という表現も要注意です。外から見るとプル動作のように見えますが、動作感覚としてはプッシュ(押す)です。水泳のかき動作は、水の中で手を後方に動かす動作であると勘違いしやすいのですが、手の位置が後方に移動するのではなく、からだが前に進むのです。手の位置は後方に下がらずに、からだを推進させます。

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プルなのに、プッシュ?

引く動作なのに、押す動作?

なにそれ?

 

”?” だらけになってしまいましたが、動作を実際にやってみて納得しました。

 

引くよりも押す方が力が入る。

自分の前にあるものを自分に手繰り寄せる方向に押すにはどうしたらよいか。

その答えが、鎖骨を前に出して肩から巻き込んでいく、でした。

 

イスに座って机に向かっている姿を想像してください。

 

手を前に出して、イスに座ったまま机を下に押してください。

これは自分の胸部に机を引き寄せるような ”引く動作” です。

懸垂のような筋肉の使い方になるかと思います。

 

次に脇を開いて、ひじを立てて、同じく座ったまま机を下に押してください。

これは自分の胸部から机を遠ざけるような ”押す動作” です。

腕立て伏せのような筋肉の使い方になるかと思います。

 

どちらが力が入るかというと、明らかに押す動作ですね。

スイムのプルは、プルでありながらプッシュであるべきというなんとも不思議な結論になりました。

早くプールで試してみたいです。

 

まとめ

骨格を理解することによって力の入る体勢が分かり、パフォーマンス向上へとつながります。

競技に関わらず、全ての身体の動きに効くエッセンスが詰まった本です。

競技者、指導者、お子さんのいる親御さんにオススメです。

 

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