「フラットスイム」なら4泳法とも速く泳げる!
僕はスイムが苦手なのですが、トライアスロンをするなら避けては通れません。
思えば水泳は体育の授業で適当に泳いでいただけでした。
基礎をまったく分かっていないと思い、本で勉強してみることにしました。
- 概要
- フラットな姿勢
- 面を作って身体を乗せる
- 肩をあごにつける
1. 概要
フラットスイムの考え方を軸に、各泳法の泳ぎ方や練習方法が載っている本です。
理論の基礎を知りたい僕にはぴったりです。
4泳法についての本なので、自由形、背泳ぎ、バタフライ、平泳ぎ全て解説されています。
自由形だけ見ても、エントリー、キャッチ、ストローク、リリース〜リカバリー、キック、タイミング、それから練習メニューと、とても充実した内容です。
これが4泳法あるのでなんというお得感。
さらにはスタート&ターン、体幹トレーニングと筋膜リリースの図解あり、というおまけ付き。
速く気持ち良く泳げる方法が余すところなく載っています。
2. フラットな姿勢
まず勉強になったのが、フラットスイムの姿勢についてです。
スイムの常識は変わり続けており、2008年頃までフラットスイムの概念はありませんでした。
時代ごとに理想の泳ぎは進化しているのです。
20年以上前は、胸を張り、あごを上げて目線は前、額で水を切ってモーターボートのように泳ぐ、という時代でした。
(ニッポン発 世界基準!「フラットスイム」なら4泳法とも速く泳げる!より)
モーターボートのように泳げ!と言われたらイメージも湧きやすいですよね。
そしてモーターボートは速いので、この理論は正しい気がします。
しかし著者は、2008年に出現した高速水着がなぜ速いのかを考えるうちに、ある結論にたどり着きます。
下半身が沈んでいると、ストロークを後ろ側までかけないから、前側だけで合わせるストロークになるんだ。腰も脚も高い位置に保てて水面に対して水平になれば、前側で合わせるものと、後ろ側だけでかく泳ぎがミックスされた「長くかくストローク」ができるんだ。キックは高い位置ということは「アップキック」でパワーを得るんだ……。いろんなところで得てきたヒントが頭の中でひとつにまとまりました。
(ニッポン発 世界基準!「フラットスイム」なら4泳法とも速く泳げる!より)
これがフラットスイムの原型です。
フラットスイムの姿勢のとり方は下記のように解説されています。
浮心がある胸のあたりは浮きますが、重心があるおへそから下は沈んでしまう。だから呼吸によって肺に空気を溜め、膨らんだ肺に身体を乗せるイメージで、やや前のめりになる。これがフラット姿勢をつくる基本です。
(ニッポン発 世界基準!「フラットスイム」なら4泳法とも速く泳げる!より)
抵抗が少なくて、かつパワーを出せる水平な姿勢。
これがフラットスイムの基本姿勢です。
以前紹介したダウンヒルスイミングの考え方に近いですね。
理論は分かっていても現実はまだまだ脚が沈みます。
あきらめずに練習します。
3. 面を作って身体を乗せる
クロールでストロークするときのイメージです。
意味が分からないと思いますが、まとめると「面を作って身体を乗せる」なんです。
- 面を作る
手をグーにして泳ぐと遅いように、水をどれだけ面でかけるかがモノを言います。
オールを漕ぐなら面が大きくなる向きや角度で漕ぎますよね。
キャッチのときは手のひらが板、
ストロークのときは肘から先が一枚の板であると想像します。
巨大パドルをつけながら泳ぐ、またはセカンドバッグを持った状態のまま泳ぐ、と考えてください。
面になるように漕いだ方が明らかに速いはずです。
- 身体を乗せる
イメージの問題ですが、ストロークは
「前の水を後ろに送る」
というよりも、
「前の水に杭を打って、そこに身体を持っていく」
ように行います。
腕だけでなく、体幹、体重移動を使った泳ぎ方です。
本書では、
「立てた肘に身体を乗っけていく」
「跳び箱を飛ぶように」
と表現しています。
ボルダリングで、腕力が強い人より体重移動が上手い人の方がひょいひょい上る、みたいなものでしょうか。
4. 肩をあごにつける
この本を読むまで、エントリーのときに肩があごについたことなどありませんでした。
そのため、肩をあごにつけると言われても「???」でした。
ウルトラマンのように両手を上げてみても肩はあごにつきません。
シュワッチ。
そのまま左手を下ろしてみても右肩はあごにつきません。
なんだこれ。。
そこで左肩を後ろに引いてみると、、
あ、ついた!
片手シュワッチをやればいいということか。
ありがとうウルトラマン。
肩にあごがついていると、まず抵抗が減ります。
腕と頭の2ヶ所に水を受けるより、腕+頭の1ヶ所に水を受ける方がきれいに流れます。
さらに腕が遠くまで伸びるのでストロークが長くなり、より効率的な泳ぎとなります。
まとめ
実技のフィードバックを受けるなら本よりスクール、
説明の分かりやすさを求めるなら本より動画の方が良いと思います。
ただ、理論を体系的に勉強するなら本がおすすめです。
僕はクロールの正しいフォームがどんなものかイメージすらできていませんでした。
この本はそれをひとつひとつ言葉で説明しており、基礎の理解にとても役に立ちました。
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